ひげの感想文

日々感じたことを、想いのままに連ねていきます。音楽とか映画とか、もっとくだらないこととか、色々。

2017年ベストアルバム

ツイッターで流行りの「質問箱」というものを始めてみたら、ひとつも質問が来ませんでした…

そんな僕を見兼ねた奥さんが、「じゃあ私がこっそり5個くらい質問しといてあげるね♪」って言ってくれたので「女神かよ…」って思いましたが、やっぱり今日現在0件です…

 

そんな悲しい年末ですが、日◯オイリオグループ並みの暮れの元気なご挨拶をぶちかましてやろうと思います。ここ2〜3年やろうやろうと思ってはやらなかった年間ベストアルバム、遂に書く気になりました。順位は付けられなかったので、ABC順です。YouTubeもアルバム毎に1曲ずつ貼り付けてるので、良かったら聴いてみて下さい。

 

 

BECK「Colors」
昨年フジで拝見したBECK大先生の最新作。フィーチャリングゲストをどんどん迎え、プロデューサーも複数人入れて分業制で曲を作るのが当たり前になりつつある昨今のトレンドに抗うかのように、プロデューサーであるグレッグ・カースティンと演奏も含めて(!)ほぼ2人で作り上げたアルバム。これがとんでもなくカラフルでポップだから面白い。リード曲「Up All Night」が本当に素晴らしくて、自分がもしDJをやるとしたら絶対セットに組み込みたいキラーチューン。この路線でもう1枚作って欲しいけど、恐らく次はまた新しいことに挑戦するんだと思います。

 

Calvin Harris 「Funk Wav Bounces Vol.1」
上記したBECKとある意味1番対極のゾーンにいる、最高のアルバムです。正直EDMは全然知らないですし、パリピへの苦手意識は相変わらずものすごいです。ただこのアルバムは旬なゲストをガッツリ迎える今っぽい豪華さと、カルヴィン自身がビンテージの楽器をほぼ1人で演奏しながら作っているっていう、確固たる地位を既に築いてるカルヴィンの挑戦ですよね。真面目にどエライエンターテインメントをやってます。そんなポップ一大絵巻であるにもかかわらず、合計時間が38分ていうところがミソ。「カルヴィン・ハリスてwww」みたいな人にこそ、是非聴いてほしいです。

 

CHAI「PINK」

バンド然とした音楽でいうと、1番良かったアルバム。「社会って本当に息苦しくなるよな。自由じゃねぇよな。」そんなことを度々思う社会人6年目のしゃらくせぇ自分をぶっ飛ばしてくれました。オルタナっぽいバンドをやりたい女子たちの1つの基準になるのではないかと思います。凝り固まった価値観からの脱却を謳う「NEOかわいい」をコンセプトとする彼女たち。マーケットをしっかりとリサーチして、売れていくバンドを全くもって否定しないし、むしろ素晴らしいと思いますが、この人たちが良いなと思うのは、自分たちが大好きでたまらないものを、仲間と一緒に本気で楽しんで咀嚼した結果が曲になってることが分かるから。全曲ハズレありませんが、「sayonara complex」は10年に一度の名曲です。骨太。 

 

mei ehara「Sway」
カクバリズムからリリースの女性SSW。女性SSWっていうゾーンは積極的に聴かないのですが、ツイッター等で絶賛する声があまりにも多く、気になりすぎてiTunesで購入。結果、どハマり。この界隈の他の人たちと違うなと思ったのは、自然と身体が動き出すグルーヴを随所に感じるところ。ルーツがすごく気になる感じ。ダンスミュージックとして聴ける所もあるし、雨の日の朝にじっくり聴きたい音楽ですね。何年経っても風化しない、流行り廃りに影響されない音楽だと思います。
1曲目の「戻らない」という曲が本当に大好きなのですが、オフィシャルのビデオがこれだけなので。これもすごく良い曲。

 

PUNPEE「MODERN TIMES」

正直自分はヒップホップに明るくありません。でも、このアルバムが出た日本のヒップホップの未来はちょっと明るいと勝手に思いました。PUNPEEの声質は特殊だと思っていて、なんか懐かしいんですよね。人懐っこい。僕もかつてはそうだったんですが、ヒップホップのことを怖いと思ってる人は多いはず。そこに対してまず開口が広い。とにかくどの曲もキャッチーだし、ポップ好きもロック好きも、色んな人を惹きつける魅力があると思いました。40年後の自分がこのアルバムを振り返る設定で幕を開ける「2057」から、パンピー=一般人という由来の自分が、君こそがヒーローと歌う「Hero」までノンストップ。流れが完璧すぎて泣けます。全方位型ヒップホップ。

動画は伝説と言われた昨年フジロック初出演のホワイトステージの模様。このアルバムには収録されてませんが、「夜を使いはたして」も大大大名曲です。

 

 SHISHAMOSHISHAMO 4」
「30手前のオッサンが何をガールズバンド聴いてキュンキュンしとんねん。」そんな声が各所から聞こえてきそうですが、このアルバムで彼女たちのことが大好きになりました。こら人気出ますわ。どこまでもキャッチーな曲達に、執念にも似たポップセンスを感じます。宮崎朝子という巨大な才能は、椎名林檎aikoに匹敵する可能性を秘めているとすら個人的に思います。優れた女性ソングライターは女優的な側面を歌の中で発揮すると思っていて、曲毎に異なった表情を見せる宮崎の歌が圧巻です。この大フロントマンを支えるリズム隊も、明らかな仕上がりを見せています。紅白出場決定も納得の大名曲、「明日も」に本当に感動しました。

 

Suchmos「THE KIDS」
いわゆるヤンキー的なビジュアルにもかかわらず、音楽がどこまでも洗練されていて、上品なところが好き。このアルバムで評価を不動のものにしたと思います。一気にお茶の間を賑わせるスターにならなかったというよりは、自分たちでそうならないことを選んだって感じ。じっくりハコの大きさを広げていきながら、音源も決して連発しない。信頼する仲間と足場をしっかり固める活動の進め方は、とにかくサイクルの早い現在の音楽シーンに一石を投じるやり方だと思います。Suchmosが引っ張っていくシーンには希望しかありません。

 

tofubeats「FANTASY CLUB」

1番好きなtofubeatsのアルバムと言われれば、迷わずこの1枚を挙げます。ただ、これまでの全アルバムの中で、一聴した上では1番地味でした。これまでみたいに豪華なゲストがたくさんいるわけじゃないし、インスト曲も多めです。ただ繰り返し聴くうちにドンドンハマっていきましたし、「FANTASY CLUB=(彼にとっての故郷であり今も住む)神戸なんじゃね?」なんてことも思ったり。そうするとこれは初のセルフタイトルと捉えることも可能なんじゃないかと思います。「自分はここでこれからもやってくんだ」という静かながらも強い意思が、アルバムの所々から滲み出ています。特に「SHOPPING MALL」は2017年のベストトラックのうちの1つ。

 

warbear「warbear」

 昨年解散したGalileo Galilei のボーカル、尾崎雄貴によるソロプロジェクトの1st。やっぱりこの人は声とか楽器の「鳴り」が他とは違って深いと思います。ガリレオ後期の影響を感じさせながら、よりミニマルに、自分の中の深い場所に潜っていった曲達。ブルースの影響が強いように思いますが、それでも「Lights」とか「掴めない」みたいな、ガリレオ時代からあった時代と共鳴するポップセンスが見え隠れしていて、やっぱりすごいなと。まだ26歳ってのが末恐ろしい…

 

Weezer「Pacific Daydream」

けっこうな変化作だと思います。好みが分かれそうですが、自分はどハマりしました。パワーポップ界の大正義として良さは損なわずに、今っぽい音も使いながらアップデートされています。下にも貼った「Weekend Woman」がとにかく最高ですね。良い意味で洋楽っぽくないというか、「泣き」のメロディが日本人の感覚にハマるんだと思います。

 

 

以上、10枚でした。めっきりApple Musicの奴隷になっており、CDを買うことは本当に少なくなりました。単純に経済的な余裕もそんなに無いってのと、聴けたいやつはほとんどApple Musicで聴けちゃうんですよね。あれだけモノ至上主義だった自分の変わりように少し落胆しますが、時代は変わっていくなと。とにかく来年も音楽を楽しみたいと思います。