ひげの感想文

日々感じたことを、想いのままに連ねていきます。音楽とか映画とか、もっとくだらないこととか、色々。

2022 年ひげ的5大トピックス

どうも、ツイッターでAVメーカーのAV紹介ツイートをファボしたことが友達のTLに出てきたみたいで、そのスクショがいきなりLINEで送られてきて今年イチ恥ずかしい思いをした僕です。(いつもエロ系はファボらずにすぐチェックするけど、たまたま妻の実家にいてすぐに見られる環境じゃなかったのでファボしておいたことが裏目に出た。笑)

2022年は自分的にトピックスが多い年だったので、まとめてみます。

 

1.MCUに遂に手を出す

「手を出したいけどファンダムが形成され過ぎてて手を出しづらい」界隈のかなり上位、MCUを遂に観始めた!「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」がネットであまりにも盛り上がってたのが背中を押してくれた要因。「アイアンマン」だけは観てたので、「ハルク」から1月末に観出して、3月半ばには「エンドゲーム」まで観終えた。アイアンマンから全部追いかけて、エンドゲームを観たときの感動はすごかった…。泣

そのあとのドラマシリーズも観ていって「ドクターストレンジ:マルチバース・オブ・マッドネス」までは観たけど今はちょっと視聴ストップ中。若干供給過多な感じに少し疲れてしまった。5月に公開される「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3」がかなり楽しみなので、そこまでにはまた追いかけていこうと思う。

何にせよ面白くてワクワクするものなのは間違いないので、また1つ人生の楽しみが増えたなと感じた。

 

2.ライブが(かなり)戻ってきた!

まず今年行ったライブの一覧。

 

2月 くるり@東京ガーデンシアター

3月 ASIAN KUNG-FU GENERATION@パシフィコ横浜

5月 Mr.Children @京セラドーム

6月 Mr.Children @日産スタジアム

7月 ASIAN KUNG-FU GENERATION@日比谷野音

8月 SUMMER SONIC@ZOZOマリンスタジアム

9月 Little Simz@神田スクエアホール

10月 アナログフィッシュ@代官山SPACE ODD

10月 山下達郎@NHKホール

11月 Big Thief@O-EAST

11月 SAITAMA ROCK FESTIVAL SAI 2022@さいたまスーパーアリーナ

 

だいたい月に1度は行けたので満足満足。

(行けるならもちろんもっと行きたいけど、家族の協力があって初めてライブに行けてるので、月に1度くらいが限度かなと思ってる)

我が最推しMr.Childrenのデビュー30周年ツアーも、サマソニで遂に目撃したTHE 1975も最っ高に良かったけど、それらを押さえての1番は何と言っても山下達郎!死ぬまでに1度は観たいと思っていたレジェンドを遂に観られて超超超〜嬉しかった。全く古臭さが無く、現在進行形の音楽を約3時間パワフルに鳴らし続けてたことに大感動。絶対もう一回観に行きたい。

 

ライブの現場も徐々に声出しが解禁になるなど、コロナ前までのものに少しずつ戻りつつある。自分はダイブとかモッシュは元からほとんどやらない人間なので特に不足は感じてなかったものの、やっぱり画一化されたものではなくて、色んな形でライブが行われる世の中が戻ってきてほしいとは強く感じてる。2023年はライブがもっと前進していくことを願う。

 

3.我が青春の最推しAV女優つぼみ、遂に引退

永遠にこないと思っていたその時も、いつかはやってくる。我が青春の最推しAV女優、つぼみが4月30日に引退した。2月9日の夜につぼみのツイッターが更新され、4月いっぱいを以って約16年間の活動に終止符を打つことが発表された。その時は時が止まったような感覚で、すぐには事態を飲み込めなかったことを覚えている。心にぽっかりと穴が開いたような感覚。なお、引退の理由については明確には公表されていないものの、やや急な決断であった旨をつぼみ自身が発言している。

それなりに健全な少年であった自分は次第に性に興味を持ち、AVももちろん観るようになっていった。そうすると自然にお気に入りの女優が出てくるのだが、ちょうど自分が高校生だったころの2006年にデビューしたのがつぼみだった。当時は公にAVを買ったり借りたりできないので、初めてその姿を見たのはDMM(現:FANZA)のサンプル動画だったと記憶している。そのときに感じたのは、ルックスがドンピシャ好みなのはもちろん、なんて無垢なままなんだということ。一般的なAV女優たちが持つ妖艶さやギラギラとした感じは一切なく、「大丈夫かな?騙されてこの業界に入ってないかな?」なんていらぬ心配をしてしまうほどだった。他にもデビュー時に同じことを感じさせられた女優はいた。ただ一般的にはキャリアを経るにつれて普通はすりへってしまい、顔が変わっていってしまう(必ずしも整形ではなく)。つぼみがすごいのは、経年変化はもちろんあるものの、どれだけキャリアを重ねてもあの頃の純真さや無垢な様子が失われないこと。しかももちろんNGはあるものの、どんなハードなプレイも本当に一生懸命こなすし、嫌な顔を見せることが全くない。ただただ唯一無二な存在である。

自分にとってこれだけの存在はこの先出てこないと思うし、出てこなくて良いとすら思う。つぼみの新作が出ない世界を生きていくのは辛いけど、今はただ「お疲れさまでした」の言葉だけを贈りたい。

 

4.ダウンタウン、31年振りの漫才

王の帰還である。ダウンタウンが実に31年振りに漫才をした。ガキ使で行っているトークの延長線上のような形式で厳密に言うと漫才ではないかもしれないが、なんばグランド花月のステージでスタンドマイクを前に2人が芸をした。そしてそれが生で配信もされた。それだけで十分である。

ダウンタウンはもはや吉本興業内において社長と同等程度の力を持っているため、出演を断ることが出来たはず。なのにそうしなかったのは、キャリアの終わりが近づいていると彼らが感じているからだと思う。過去に浜田が、「ダウンタウンの最期は花月で漫才をしたい」と発言をしており、ここに向けたある種の布石であると自分は感じた。

自分はあとから配信のチケットを買って観た。打合せなしとは思えないほどの完成度、60歳近くなっても衰えない瞬発力。当たり前のように爆笑してしまった。何より1番感動したのは、松本人志が完全にボケに徹したことである。近年の2人はピンでの仕事が多く(とは言えあのレベルの大御所コンビにしてはコンビ仕事も多い方だと思う)、松本が進行を行うことが増えツッコミ的な立ち位置を引き受けることが多くなっている。そんな中で完全にリミットが外れた松本人志のボケをじっくりと堪能できた。松本人志の不条理なボケに一旦浜田を含めた受け手に戸惑いが生まれるが、的確にツッコんで爆発的な笑いが生まれる構図を久しぶりに観られた。次はもう少し短い間隔で2人の漫才が観たい。

 

5.無限時間泥棒、スプラトゥーン3

ひっさびさにゲームに大ハマり。スプラトゥーン3。スプラトゥーンはこれまでやってなくて今回の3から入ったんだけど、コントローラーのジャイロ機能を使う操作が難しくて最初はやり続けられるのかかなり不安に感じてた。けど一度慣れてしまうと全く問題なし。永遠に時間を吸い取られ続けていて怖い。他の趣味(音楽・映画・ドラマ)に割く時間が圧倒的に減ってしまった。ちょっとどうかと思うレベルで、発売したあとはずっとやってた。ちなみに妻も大ハマりしたため、同時に出来るようにswitchをもう一台と純正プロコンも2つ買った。笑

何がオモロいか。結論、1つのゲームなのに色んな楽しみ方が出来て、終わりがないことだと思う。(けっこう操作は大変っちゃ大変なので、ゲーム初心者が気軽に出来るものではないと、個人的に思う。)「ヒーローモード」という1人用のモードは終わりがあるけど、それ以外の「ナワバリバトル」「バンカラマッチ」「サーモンラン」は終わりがない(に等しい)。自分はこの中でも特に「サーモンラン」にハマっていて、(上手くなる意味での)先が見えなさすぎて辛くなることもあるけど、やっぱり面白い。

今後2年間はアップデートが約束されてるので、長くやっていくことは間違いない。

 

 

以上、2022年のひげ的5大トピックスでした。

来年も楽しいことがたくさん見つかりますように!

2018年ベストアルバム

2018年は、それはそれは大きな出来事がありました。トイレで用を足したあとに、ジェットタオルで手を乾かすことが自分は想像以上に好きだと気がついたことです。ウソです。2月に娘が誕生したことです。はや10ヶ月で元気につかまり立ちなんて始めちゃって。今のところ大きな病気をすることもなく(ここ数日は吐いたり下痢したり大変でしたが。奥さんとあちらの実家に大変お世話になりました。)、それが何より良かったなと。

そんな大きな環境の変化もあり、音楽を聴く時間は物理的に減りました。けれど、変わらず好きです、音楽。家で聴く時間もライブに行く時間も減ったからこそ、音楽をより尊く思えたような気がします。そんな訳で以下に今年良かった10枚を書いていきます。

 

10.Ady Suleiman「Memories」

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Twitterで良質な音楽(ほぼ洋楽)をひたすら紹介してるアカウントがあって、今年かなりお世話になったわけですが、その中でも個人的にヒットした1枚。チャンスザラッパーも絶賛してるというUKソウルシンガーのデビュー作。レゲエやジャズなど色んなルーツを感じさせながら、とにかく歌が気持ち良い。日曜日の午後に大音量で流してたらゴキゲン間違いなしなやつです。

 

9.アナログフィッシュ「Still Life」

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近年のアナログフィッシュの表現の研ぎ澄まされ方っていうのはちょっと凄みを感じるレベルで。「荒野/On the Wild Side」「NEWCLEAR」とはまた違う次元だけれど、彼らにしかできないことをやってると思います。ミニマルで隙間のある音作りだけど、決して薄くならず、聴き応え抜群。アナログフィッシュが日本のインディシーンにいてくれることでいくらか安心できる部分もあります。決して大袈裟ではなく。

 

8.Tom Misch「Geography」

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ロンドンを拠点に活動する弱冠23歳(!)のSSW/プロデューサー、トム・ミッシュのデビューアルバム。サブスクなりYouTubeで過去の膨大なカタログにどんどんアクセスして、色んなものをサンプリングしながらオリジナリティのある音楽を創る。 そういうことが感じられる、ものすごく現代っぽいアルバムです。けど宅録感MAXみたいなわけでもなくて、演奏してる姿が見えるのも良い。NulbarichとかSuchmosが好きな人は絶対に聴いて損しないと思います。

 

7.スーパーノア「素晴らしい時間」

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京都のインディロックバンド、スーパーノアの3rdミニアルバム。10枚中、唯一のミニアルバムでの選出。そのくらい素晴らしかった。今年9月に人生で初めて音楽ライター講座(岡村詩野さんのやつ)というものに参加しまして。大変に刺激を受けたんですが、宿題で新曲1曲の500字レビューを書いてくるというのがあり、衝撃を受けたこのアルバムの1曲目「ミラーボール」について書いていったのでした。それが↓

 

「現代はインスタントなものが求められる時代だ。情報量が多く人はみな忙しそうに生きており、時間がなくて分かりやすいものを求めがちになる。音楽もいわゆる「効きの速さ」が求められる中で、およそ8分弱にもおよぶこの曲は、一見時代に逆行しているともとれる。ただよーく耳を凝らして向き合ってみると、非常に聴きどころが多い曲だと分かる。ゆったりとしたイントロから始まり徐々に展開するリズムの多様さ、叙情的な歌唱、様々な楽器の組み合わせで音色を変えながら曲中何度も繰り返される印象的なフレーズ、サイケデリックにかき鳴らされるギター・うねるベース・手数が多いながらも非常に均整のとれたテクニカルなドラムが一つの塊となって大団円に向かって行く壮大なアウトロ。8分間があっという間に過ぎ去る。聴き終えたあとには、音楽に無条件で心踊らされた10代を思い出す「音楽ってこういうものだったな」というある種の懐かしさと、世の音楽に対して真摯であれと願う「音楽にこうあってほしい」というような、二つの感情が同時に込み上げてくる。

この曲は、音楽に向き合ってじっくりと楽しむことで、誰もが「素晴らしい時間」を過ごせることを証明している。」

 

自分が知らないだけで、まだまだ世の中には良いバンドがいっぱいいるなと思い知らされました。

 

6.ROTH BART BARON 「HEX」

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もうとにかく早く世界でとんでもない売れ方をしてくれって感じです。フジロックのグリーンで演奏してる姿が想像できるスケール感を持ったボーダーレスな音でありながら、メロディしか追いかけないようなJ-POPだけを聴く層にもダイレクトアタックを仕掛けられます。曲や演奏やアレンジが良いのは当然ながら、「歌」の強さが段違い。歌がちゃんと強いことが、ROTH BART BARONが世界で勝負できると自分が思う理由だったりする。12月に渋谷WWWで観たワンマンも本当に本当に素晴らしかった。この人たちの音楽が大衆に発見されない国に住んでいたくないし、ましてやそんな国の音楽シーンは腐っていくだけ。そう言い切ります。

 

5.くるり「ソングライン」

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これ、くるりにとって実は初めてのタイプの、ただただ「良い歌・曲」が並んでいるアルバムだと思いました。というとちょっと味気なく思われがちですが、「THE PIER」を経たからこそ出来たであろう、その「良い歌・曲」のレベルがとんでもなく高い1枚。「THE PIER」があれだけ音楽的に複雑な一大音楽絵巻だったことを考えると、その揺り戻しみたいなところもあるのかなと思いつつ、そんな単純な話でもないような気もします。くるりはいつだって時代の2〜3歩先をいってるバンドで、このアルバムもなにかを暗示してたってことがもう少し先の未来に分かってくるんだと思います。

 

4.cero 「POLY LIFE MULTI SOUL」

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ものすごく形容しがたいアルバムというか、「〇〇っぽい」というのがいまだに見つかりません。「Obscure Ride」を経てどこに行くのかなと眺めていたら、その自分が眺めていた方向には全く彼らはいなくて、「え!?どこをどう通ってそこにたどり着いたの!?」って感覚。それでいて全くポップさを損なわないし、ダンスミュージックとしても成立してるし、バンドとして日本の宝でしょう。フェスにceroがラインナップされてるだけで安心感がすごいもんね。自由に、どこまででもいってくれればと思います。

 

3.Mr.Children「重力と呼吸」

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心から敬愛するMr.Childrenの、3年4ヶ月ぶりのアルバム。これについては先日書いた記事を参照してください。↓

http://hige1989.hatenablog.com/entry/2018/10/13/231056

ただやっぱり今改めて思うのは、「渇いている」なと。ミスチルの表現というのは桜井さんのボーカルも相まって一般的には「湿った」見られ方をすることが多いと思うんだけど、「渇き」がここまで全編に出てるアルバムはこれまでになかったと思います。全く心配はしてなかったですが、まだまだミスチルは第一線で闘えるんだと安心させられ、また次が楽しみになる作品でした。

 

2.星野源「POP VIRUS」

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STUTSの数曲への参加だったり、河村カースケ智康や玉田豊夢を曲ごとに使い分けてたり、現行のUS・UKシーンに接近してビート・リズムにこだわったことは明らかながら、J-POPであることも絶対に諦めないという、1人で空中ブランコをしてるみたいな離れ業をやってのけた作品。

星野源の表現には「SUN」や「恋」のような楽しい曲であってもどこかしらに「哀しさ」が必ず含まれていて、例えばイチローだったり松本人志だったり、各分野の超一流の人物の表現にも必ずそれがあるように、頂点に行くためにもはやそれは不可欠なんだと思う。正直何周かしたあとに「思ったより暗いな」とか、「YELLOW DANCERの方が良かったかな?」って思ってしまったのも事実だけど、何周も何周もしてるうちにその「哀しさ」だったり「怒り」が、このアルバムを名作たらしめる要素なんだと気がつきました。オーラス「Hello Song」がとにかくとんでもない名曲で、大袈裟に言うとそれまでがこの曲のための前フリだったんじゃ?っていうくらいのバケモノっぷり。お茶の間レベルのポップスターとしての責任も、業も、全てを引き受ける覚悟が見えました。星野源は本当の意味で、地位を不動のものにしたと思います。年末年始に何か1枚お年玉でアルバム買おうっていう中高生には迷わずこれを薦めたい。

 

1.ASIAN KUNG-FU GENERATION「ホームタウン」

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堂々の第1位。やっぱりロックバンドが闘うのがどんどん難しくなってる時代で、音楽的にすごく新しいかと言われるとそうではないこのアルバムが1位である意味は本当に大きいです。

ゴッチも様々なインタビューで語っている通り、海外でメインストリームになっているヒップホップやソウル/R&Bに特徴的な空気を震わせるような重低音に対して、ロックバンドは何ができるのかを徹底的に追記した音の強度がハンパじゃない。もはや低音の細かい機微は自分には聴き取れないけど、やっぱり低音(リズム隊)がしっかり下にあることで、ギターだったり歌がしっかり前に出てきてて、立体感のあるサウンドに仕上がってます。

数曲をWeezerのリバース・クオモが提供してたり(その曲がめちゃくちゃ良い!)、これだけのキャリアを持つバンドがガチガチにならずに柔軟にやってる姿勢含め本当に素晴らしいですね。「みんなが聴きたかったアジカン」を覚悟を持って引き受けて、でも自分たちのやりたいことも決してないがしろにせず、未来につなげていく。ゴッチ風に言うとめちゃくちゃ「ヘルシー」なアルバムだと思いました。(サバンナ八木を思い出させましたね。すみません。)

「はじまったばかり We’ve got nothing 」と歌ってくれる彼らに、このアルバムに、大いなる希望を感じさせてもらいました。ありがとうアジカン!!ロックンロールイズノットデッド!!!!!!!!

 

 

次点でKID FRESINO、踊ってばかりの国、TENDRE、降谷建志、THE INTERNET、NONAMEあたりが良かったかな。

主に政治とか、色々ムカつくことは本当に多いけど、今年も何やかんや音楽は楽しかった。2019年も楽しみます。それではみなさま良いお年を!!

 

Mr.Children「重力と呼吸」がロックアルバムになった3つの理由

Mr.Childrenが通算19枚目のアルバム「重力と呼吸」を10月3日にリリースした。

ファン歴13年の自分にとっては心待ちにしていた新譜である。そりゃもう最高なことに間違いないんだけれども、何周か聴いたところ、これまでとは違う新しいMr.Childrenが鳴っていると感じた。それはなぜか。このアルバムがロックだからである。「いやいや、これまでだってMr.Childrenがロック的な側面を持って表現することは多々あったじゃないか」、そう言われるとたしかにそうなのだが、そのように感じた理由をいくつかのポイントをあげて説明していきたい。

 

①バンドサウンドの力強さ、瑞々しさ

Mr.Childrenの歌」ではなく、「Mr.Childrenのバンドサウンド」を聴かせたかったと桜井和寿がいくつかのインタビューでも語っている通り、バンドサウンドがこれまでになく力強く、瑞々しい。(ベースの音色やドラムの力強さ・多様さなど、リズム隊においてそれは特に顕著である。ひずんだギターも近年の中では比較的多い。)

冒頭のM-1「Your Song」から既に象徴的で、ドラムス鈴木英哉の「ワン、ツー!」というハイハットを伴うカウントから始まり、オフマイク気味の桜井和寿によるエモーショナルなシャウトが、これまでの彼らの作品とは明らかに一線を画す始まりを告げる。やはりMr.Childrenというと「歌」であり、メンバーもボーカル桜井の歌を生かすための演奏に徹している旨の発言を度々してきた。昨年の25周年ツアーでは「みんなのミスチル」「みんなの歌」に徹した彼らが、このアルバムでもう一度原点に戻ろう、バンドの音を鳴らそうという衝動や熱がこの1曲目からダイレクトに聞こえてきた。他にも80年代ビートロックを思わせる新機軸のM-2「海にて、心は裸になりたがる」や、各楽器がスリリングに絡み合うアンサンブルが特徴的なM-6「addiction」、ひねり無しのストレートなギターロックが新鮮なM-7「day by day(愛犬クルの物語)」など、10曲48分と彼らのアルバムとしてはコンパクトな造りの中に、聴きどころが非常に多い。珠玉の名曲M-9「himawari」も、この位置に置かれていることで作品としての締まりや、M-10「皮膚呼吸」に向けて視界が開けていくような効果をもたらしている。

歌詞についても少し触れると、人生観を揺さぶるような名リリックがMr.Childrenにはいくつも存在するが、そういったドラマチックさは今作にはあまり見られない。サウンドに導き出された歌詞はなるたけシンプルに、これまで以上にメンバー同士であったりリスナーと、「音」でコミュニケーションを取ろうとしているように感じた。

 

②「深海」との関係性

「深海」は彼らが1996年に発表した、後ろ向きな曲調や反社会的な歌詞も多いコンセプトアルバムである。当時桜井和寿は自身の不倫などで精神的に相当参っており、自殺したいと思っていたほど。そのような状況下で産み落とされたこの作品はロック性が高く、これまでの作品群においてもとりわけ暗く異質だ。このアルバムと類似する点がいくつかある。

I.これまでMr.Childrenがリリースしたアルバムの中で、漢字(とひらがな)のタイトルは「深海」と「重力と呼吸」のみ

II.「深海」と「重力と呼吸」リリース時のみ、「最高のアルバムが出来ました」という旨のコメントを桜井和寿が出している(上「深海」リリース時、下「重力と呼吸」リリース時)

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Ⅲ.最新のFC会報内でのインタビューで次のツアーについて、「深海のツアー(REGRESS OR PROGRESS)まではいかないけれど、ライブ全編を通して1つの組曲みたいなイメージもある」と発言している。

以上からこの2作に通ずるものを感じずにはいられない。ただ現在バンドの状態は良好で、「深海」発表当時のような状況ではないことは明らかだ。ではもう少し違った角度でどういった関係が見えるか。ここからは完全な推測になるが、前作「REFLECTION」は23曲というかつてないスケールでバンドの持てる全てを全方位的に出し切った作品であり、それを経て次の作品を作っていくにあたっては、当時のような強い・ある種のハングリー精神が必要だったのではないだろうか。それがこういった共通点として表れたことは決して偶然ではないように感じる。「重力」と「呼吸」はいずれも「海」の中では(感じることが)出来ないことから、「類似」というよりは、当時の自分たちを20年越しで乗り越えた「決別」と言えるかもしれない。

 

③近年のMr.Childrenの活動

Mr.Childrenは誰もが知るモンスターバンドであり、それ故活動の多くは大掛かりにならざるを得ない。ライブとなると基本的にはワンマンで、規模もアリーナクラス以上になる。けれども最近の彼らの活動は身軽に、且つ開けている。

この流れのスタートは2014年の秋に遡る。次のアルバム(2015年リリースのREFLECTION)に収録予定の新曲をファンクラブ限定ライブで先行披露し、2015年初頭に映画として上映を行ったのだ。同年にはくるりエレファントカシマシASIAN KUNG-FU GENERATIONRADWIMPSらとのライブハウスでの対バンツアー、2016年には22年振りのホールツアーを実施、2017年にはONE OK ROCKのツアーにゲストで出演するなど、バンドの新陳代謝を図るかのような、これまでの歩みに捉われない活動ぶりが見られる。桜井和寿という人は非常に優しい笑顔が印象的だが、基本的には負けず嫌いである。(過去のインタビューでは、良い音楽を聴いたあとにはMr.Childrenの作品を聴いて、負けていないことを確認するといった旨の発言などもある)同世代や若手ロックバンドとの共演から受けた刺激が、本アルバムのロックサウンドに表れているであろうことは想像に難くない。

 

「重力」と「呼吸」は、この世に生きるすべての生き物が等しく感じたり、行っていることである。つまりはそういった普遍的な、強度のあるアルバムを作ることで、「Mr.Childrenはまだまだ第一線で闘い続ける」という意思表明をしているようだ。ライブで映えるであろう曲も多いこのアルバムを引っさげてのツアーが既に始まっている。25周年を記念したベストな内容で行った昨年のツアーで1つの区切りを付け、新たなMr.Childrenがこれからどうリスタートしていくのか、楽しみでならない。

 

「愛してる」 それだけじゃ 足りないけど

2018年2月26日、20時31分。第一子が産まれました。2850g、女の子です。名前はひらがなで「つぐみ」に決めました。自分の苗字はかなり珍しくて且つ漢字の画数も多いので、バランスを取ったという所もあります。それだけではもちろんないですが。

とにかく無事に産まれてくれて、それだけで本当に良かった。この子が将来クソみたいな男にたぶらかされないように格闘技を習おうか迷うくらい、既に可愛いです。

 

元々予定日は3月3日でした。だけども奥さんの身体が小さいために早めに産んだ方が良いという病院の判断で、25日の夜から入院し、26日の朝に陣痛促進剤を打つことが決まりました。いよいよ当日26日になり、朝からソワソワ。奥さんとLINEをしながら今日は無さそうとのことで(打ってもすぐ陣痛が来るとは限らないそう)、完全に気が緩んでいました。だけど昼過ぎに奥さんからのLINEが途絶え、やっぱりソワソワする俺。さすがに不安になり仕事が終わって20時頃にお義母さんにLINE。すぐに返ってきました。(というか送ったのとほぼ同時刻でした)

 

 

「もうすぐ産まれそうです」

 

ズコーッ

 

えー!!!!!

 

思ってもみない展開に動揺してとにかく家の中を歩き回る俺。今すぐ新幹線に飛び乗るか?果たして間に合うのか?

そこにお義母さんからの電話。

「今夜中には産まれそうだけど、今から来てもすぐに会えるかどうかは分からない。どうする?」的な内容でした。悩んだ結果、翌日午前だけ仕事して昼から大阪に向かうことに決定。よし、あとは奥さん頑張れ〜。辛いやろうけど超頑張れ〜。

 

約30分後にまたお義母さんから電話。

 

 

 

「産まれたよ!!」

 

ズコーッ

 

早えー!笑 思わず笑ってしまいました。けど母子ともに無事と聞いてとにかく一安心。

陣痛促進剤を打つとけっこう痛いらしく、陣痛なのかどうかはっきりと分からないまま痛みが激しくなって分娩室に移動し、出産に至ったそうです。時間にしておよそ4時間くらいだったそうな。奥さんに本当に感謝。お疲れさまでした。あなたが2018年のMVPです。優勝です。

 

娘が産まれて家族ってなんだろなってぼんやり考えます。これは個人的な考えだし、理想論と言われればそれまでですが、やっぱり一人一人が良い意味で独立した人間の集合体であるべきだと思います。俺・奥さん・娘、みんながそれぞれに自分の人生を生きてほしいし、楽しんでほしい。その中で必要な時はお互いを助け合えるような集団であれたらなと。

 

今はとにかく娘の成長が楽しみだし、俺も奥さんも一緒に成長していけたら良いと思います。とりあえずイクメンとかいう言葉は世界一嫌いなので、どうしたら能動的に自分の子を育てられるのかを考えたいし、肉体的にも精神的にも辛いであろう奥さんをどうすれば少しでも楽にさせてあげられるのかを考えたいです。東京で2人で子育てすることがどれだけ大変かはまだよく分かってない部分もありますが、協力して頑張っていきます。皆さま引き続きよろしくお願いします。

 

 

2017年ベストアルバム

ツイッターで流行りの「質問箱」というものを始めてみたら、ひとつも質問が来ませんでした…

そんな僕を見兼ねた奥さんが、「じゃあ私がこっそり5個くらい質問しといてあげるね♪」って言ってくれたので「女神かよ…」って思いましたが、やっぱり今日現在0件です…

 

そんな悲しい年末ですが、日◯オイリオグループ並みの暮れの元気なご挨拶をぶちかましてやろうと思います。ここ2〜3年やろうやろうと思ってはやらなかった年間ベストアルバム、遂に書く気になりました。順位は付けられなかったので、ABC順です。YouTubeもアルバム毎に1曲ずつ貼り付けてるので、良かったら聴いてみて下さい。

 

 

BECK「Colors」
昨年フジで拝見したBECK大先生の最新作。フィーチャリングゲストをどんどん迎え、プロデューサーも複数人入れて分業制で曲を作るのが当たり前になりつつある昨今のトレンドに抗うかのように、プロデューサーであるグレッグ・カースティンと演奏も含めて(!)ほぼ2人で作り上げたアルバム。これがとんでもなくカラフルでポップだから面白い。リード曲「Up All Night」が本当に素晴らしくて、自分がもしDJをやるとしたら絶対セットに組み込みたいキラーチューン。この路線でもう1枚作って欲しいけど、恐らく次はまた新しいことに挑戦するんだと思います。

 

Calvin Harris 「Funk Wav Bounces Vol.1」
上記したBECKとある意味1番対極のゾーンにいる、最高のアルバムです。正直EDMは全然知らないですし、パリピへの苦手意識は相変わらずものすごいです。ただこのアルバムは旬なゲストをガッツリ迎える今っぽい豪華さと、カルヴィン自身がビンテージの楽器をほぼ1人で演奏しながら作っているっていう、確固たる地位を既に築いてるカルヴィンの挑戦ですよね。真面目にどエライエンターテインメントをやってます。そんなポップ一大絵巻であるにもかかわらず、合計時間が38分ていうところがミソ。「カルヴィン・ハリスてwww」みたいな人にこそ、是非聴いてほしいです。

 

CHAI「PINK」

バンド然とした音楽でいうと、1番良かったアルバム。「社会って本当に息苦しくなるよな。自由じゃねぇよな。」そんなことを度々思う社会人6年目のしゃらくせぇ自分をぶっ飛ばしてくれました。オルタナっぽいバンドをやりたい女子たちの1つの基準になるのではないかと思います。凝り固まった価値観からの脱却を謳う「NEOかわいい」をコンセプトとする彼女たち。マーケットをしっかりとリサーチして、売れていくバンドを全くもって否定しないし、むしろ素晴らしいと思いますが、この人たちが良いなと思うのは、自分たちが大好きでたまらないものを、仲間と一緒に本気で楽しんで咀嚼した結果が曲になってることが分かるから。全曲ハズレありませんが、「sayonara complex」は10年に一度の名曲です。骨太。 

 

mei ehara「Sway」
カクバリズムからリリースの女性SSW。女性SSWっていうゾーンは積極的に聴かないのですが、ツイッター等で絶賛する声があまりにも多く、気になりすぎてiTunesで購入。結果、どハマり。この界隈の他の人たちと違うなと思ったのは、自然と身体が動き出すグルーヴを随所に感じるところ。ルーツがすごく気になる感じ。ダンスミュージックとして聴ける所もあるし、雨の日の朝にじっくり聴きたい音楽ですね。何年経っても風化しない、流行り廃りに影響されない音楽だと思います。
1曲目の「戻らない」という曲が本当に大好きなのですが、オフィシャルのビデオがこれだけなので。これもすごく良い曲。

 

PUNPEE「MODERN TIMES」

正直自分はヒップホップに明るくありません。でも、このアルバムが出た日本のヒップホップの未来はちょっと明るいと勝手に思いました。PUNPEEの声質は特殊だと思っていて、なんか懐かしいんですよね。人懐っこい。僕もかつてはそうだったんですが、ヒップホップのことを怖いと思ってる人は多いはず。そこに対してまず開口が広い。とにかくどの曲もキャッチーだし、ポップ好きもロック好きも、色んな人を惹きつける魅力があると思いました。40年後の自分がこのアルバムを振り返る設定で幕を開ける「2057」から、パンピー=一般人という由来の自分が、君こそがヒーローと歌う「Hero」までノンストップ。流れが完璧すぎて泣けます。全方位型ヒップホップ。

動画は伝説と言われた昨年フジロック初出演のホワイトステージの模様。このアルバムには収録されてませんが、「夜を使いはたして」も大大大名曲です。

 

 SHISHAMOSHISHAMO 4」
「30手前のオッサンが何をガールズバンド聴いてキュンキュンしとんねん。」そんな声が各所から聞こえてきそうですが、このアルバムで彼女たちのことが大好きになりました。こら人気出ますわ。どこまでもキャッチーな曲達に、執念にも似たポップセンスを感じます。宮崎朝子という巨大な才能は、椎名林檎aikoに匹敵する可能性を秘めているとすら個人的に思います。優れた女性ソングライターは女優的な側面を歌の中で発揮すると思っていて、曲毎に異なった表情を見せる宮崎の歌が圧巻です。この大フロントマンを支えるリズム隊も、明らかな仕上がりを見せています。紅白出場決定も納得の大名曲、「明日も」に本当に感動しました。

 

Suchmos「THE KIDS」
いわゆるヤンキー的なビジュアルにもかかわらず、音楽がどこまでも洗練されていて、上品なところが好き。このアルバムで評価を不動のものにしたと思います。一気にお茶の間を賑わせるスターにならなかったというよりは、自分たちでそうならないことを選んだって感じ。じっくりハコの大きさを広げていきながら、音源も決して連発しない。信頼する仲間と足場をしっかり固める活動の進め方は、とにかくサイクルの早い現在の音楽シーンに一石を投じるやり方だと思います。Suchmosが引っ張っていくシーンには希望しかありません。

 

tofubeats「FANTASY CLUB」

1番好きなtofubeatsのアルバムと言われれば、迷わずこの1枚を挙げます。ただ、これまでの全アルバムの中で、一聴した上では1番地味でした。これまでみたいに豪華なゲストがたくさんいるわけじゃないし、インスト曲も多めです。ただ繰り返し聴くうちにドンドンハマっていきましたし、「FANTASY CLUB=(彼にとっての故郷であり今も住む)神戸なんじゃね?」なんてことも思ったり。そうするとこれは初のセルフタイトルと捉えることも可能なんじゃないかと思います。「自分はここでこれからもやってくんだ」という静かながらも強い意思が、アルバムの所々から滲み出ています。特に「SHOPPING MALL」は2017年のベストトラックのうちの1つ。

 

warbear「warbear」

 昨年解散したGalileo Galilei のボーカル、尾崎雄貴によるソロプロジェクトの1st。やっぱりこの人は声とか楽器の「鳴り」が他とは違って深いと思います。ガリレオ後期の影響を感じさせながら、よりミニマルに、自分の中の深い場所に潜っていった曲達。ブルースの影響が強いように思いますが、それでも「Lights」とか「掴めない」みたいな、ガリレオ時代からあった時代と共鳴するポップセンスが見え隠れしていて、やっぱりすごいなと。まだ26歳ってのが末恐ろしい…

 

Weezer「Pacific Daydream」

けっこうな変化作だと思います。好みが分かれそうですが、自分はどハマりしました。パワーポップ界の大正義として良さは損なわずに、今っぽい音も使いながらアップデートされています。下にも貼った「Weekend Woman」がとにかく最高ですね。良い意味で洋楽っぽくないというか、「泣き」のメロディが日本人の感覚にハマるんだと思います。

 

 

以上、10枚でした。めっきりApple Musicの奴隷になっており、CDを買うことは本当に少なくなりました。単純に経済的な余裕もそんなに無いってのと、聴けたいやつはほとんどApple Musicで聴けちゃうんですよね。あれだけモノ至上主義だった自分の変わりように少し落胆しますが、時代は変わっていくなと。とにかく来年も音楽を楽しみたいと思います。

やがて人生は次のコーナーに

もう既に色んな人に言っていますが、ワタクシ28歳でパパになることが決まりました。来年3月の初旬予定です。(恐らく♀)

 

発覚したのは今年の初夏。奥さんがやたらと体調が悪そうだったので、半分冗談のつもりで「検査薬買ってきたら?」と言ったら、確定でした。愛する奥さんとの間に出来たお子ですからとびきり嬉しいのはそれはもう大前提として、率直な気持ちとしては不安も半分くらい感じました。「お金無いゾ?」「身内が全く近くにいない東京で2人で子育てだゾ?」「待て待て、まず育てる側の人間がめちゃめちゃ未熟だゾ?」といったまるでクレヨンしんちゃんのタイトルみたいな不安です。ただ自分たちと同じ境遇の人はごまんといるはずなので、「無事産まれてきてくれさえすれば、あとはなんでもいいや」という思考に切り替わり、毎日の神へのご祈祷が始まりました。嘘です。(不謹慎)

 

いざこういう立場になると「理想の父親像」とか、「自分の好きなものを好きになってほしいな」とか、色々と考えます。ただそれらは全て結局自分のエゴであって、まずはあらゆる価値観を否定しないで、あとは自分と奥さんがお互いを想いやって楽しく暮らしている家庭なら、一旦はそれで大丈夫な気がします。タイトルにもあるように、人生というコースを走る自分が非常に重要なコーナーに差し掛かっているなと。ここで振り落とされないよう、踏ん張りどきであることは明らかです。

 

とりあえずはシリアスになりすぎぬよう、毎日の生活を奥さんとお腹の中のお子と一緒に頑張っていこうと思います。皆さん、今後ともよろしくお願いします。 

粋なおばさま

昨日の仕事からの帰り道、とても胸が暖かくなる出来事があった。


ほぼ仕事が定時で終わり、外出していた奥さんと帰るタイミングが運良く一緒になったこともあり、食事をして帰ることにした。


食事を済ませ、帰り道電車に乗ると満員。妊娠7ヶ月でお腹の大きい奥さんが座れずにいたところ、席を譲ってくれたマダムがいた。あまり長時間は乗らないので恐縮しつつ、お礼を言って奥さんは座った。

少し電車が走ってそのマダムが降りる時間になり、僕たちはマダムにお礼を言ったのだが、それに応じて一言、「良い子を産んでね」と笑顔で言ってくれた。なんて粋な人なんだと、僕も奥さんも感動して心が暖かくなった。あくまでさりげなく、嫌味な感じも一切なく、ああいうステキな言葉を他人に対してかけられる感覚を多くの日本人は持っていないように思う。


生まれ持ったあの方の性質的なものなのか、例えば長年外国にでも住んでいてああいった感覚が培われたのかは、分からない。けれど、恥ずかしがらずに他人が言われて嬉しい言葉を発することで生まれる良い循環が確実にあると思ったし、少しでもあのマダムに近づきたいと思ったある日の仕事帰りだった。